◆正式名 神護山 慶宮寺
天気の良い日、慶宮寺の背後にある日朗坂を上ると、澄み切った晴天と緑の木立に囲まれた慶宮寺の赤い屋根が見える。その色の調和は訪れる人の気持ちを穏やかにする。
慶宮寺は大同二年、快空法印の開基と言われている。順徳院第一皇女慶子(よしこ)宮との関係で慶宮寺と称する。境内には、女王が産湯を使ったと言われる御井戸がある。女王お手植えと言われる鬱金桜(ウコンザクラ)もある。現在は三代目の蘖(ひこばえ)である。
(ひこばえ:《「孫(ひこ)生え」の意》切り株や木の根元から出る若芽。大辞泉より)
寺の後方の丘のの上に八祖堂が建っている。中には回転輪蔵式ニ階建て八角厨子がある。二階建ての八角堂で上段に秘仏として金輪仏頂を安置し、下段に大日三尊と八祖大師を祀っている。この八角の厨子は、ぐるりと回転し、八祖すべてを拝むことができるという特色がある。仏様をいながらにしてすべて参拝できる珍しい造りとなっている。
昭和二十六年、台風のため銅版等破損、瓦葺にかえる。三十五世教三〔片野尾 金子九平出生、在位9年昭和二十九年寂)
※昭和四十八年 畑野町文化財、四十九年 新潟県有形文化財に指定。 |